職員向け勉強会 「指伝話」体験
12月11日の夕方、職員向けに意思決定支援の勉強会を開催しました。
非営利特定法人あすみの会が行うICT支援訪問相談として実施し、講師には一般社団法人結(ゆい)ライフコミュニケーション研究所の高橋宜盟様に、意思決定支援とアプリ「指伝話」の紹介をお願いしました。
高橋先生の聞き手を引きつける講義と、事例を交えた説明に参加者一同終始引き込まれるように聞き入っていました。
詳細を書くと大変な量になりそうなので、先生の言葉で印象的だったものやアプリの概要を少しだけ紹介させていただきます
「より良くしよう、より良くなろう」
現状を肯定した上で、自分も他人も一緒に進んでいこうという気持ちの持ち方にとても安心感を感じる言葉です。
「良くしよう」では今までが良くなかったように聞こえ、現状を否定することになってしまいますが、「より」が付くことで、現状は肯定したまま進んでいく感じが伝わってきます。
また、「しよう」「なろう」は、自分も他人も一緒に進んでいこうというフレーズです。
一人で頑張るのではなく、みんなでもっと進んでいこうという気持ちが伝わってきますね
「支援者がやらせたいことと、本人がやりたいことは違う」
これを聞いたときはハッとしました。
私自身はコミュニケーション機器などの利用をお手伝いする立場であり、常日頃気をつけていることは「機器を使うことが目的ではない」ということです。
ついついコミュニケーション機器を使うことで解決するような気持ちになってしまい、いつの間にか意思を伝えることから機器を使うことに目的が変わってしまうということもありますので、気をつけなければなりません。
しかし、その機器で伝えられることさえも、本人がやりたいこととは必ずしも一致しないわけです。
機器による選択や意思決定は「本人がやりたいこと」が前提にあることを改めて認識しました。
指伝話の紹介
中盤からは、コミュニケーション用アプリ「指伝話」の紹介です
大事なのは「誰でも簡単にできる」ということと、「話すきっかけを作るもの」と考えることだとお話されました。
ピコピコルームでもそうですが、「パソコンを使う」「機器を使う」ということに抵抗感やハードルを感じる方はいらっしゃいます。
しかし、全ての機能を使いこなす必要はないし、これらを使う中でコミュニケーションが取れることが大切だということを改めて感じました。
指伝話は、簡単な操作でカードを増やしていくことができます。
その場で写真を撮って、読み上げる文章を入れるだけで流暢な機械音声で読み上げてくれるカードが出来上がり
ここまでなら他のコミュニケーションアプリと大差ありませんが、指伝話はそれにとどまりません。
iOS12の機能である「ショートカット」を作ったボタンで呼び出すことができるので、例えば指伝話のボタンを押して他のアプリを開くとか、Youtubeでお気に入りの動画を開く…といったことができるのです
これは今までのコミュニケーション系アプリにはなかった機能です
また、スイッチで指伝話を動かすためのスイッチインタフェース「変わる君」は中にプログラムを組むことができるため、iPadのスイッチコントロールを使わなくても単体で指伝話を操作できるのが強みです。
それから、変わる君自体のインタフェースは通常サイズのUSB(USBメモリとかマウスとかと同じ)で、その先に変換コネクタがついています。
つまり、先端がLightningであってもUSB-Cであっても関係なく使えるので、今後iPad自体のインタフェースが変わっても長く使っていけるということです。規格が変わるたびに買い直さなくていいのはありがたいですね
短い時間ではありましたが、今回の目的であった利用者様の意思決定支援について学ぶこと、それからアプリの利用を検討するには十分な内容だと感じました。
それに加え、まずはご本人に興味を持ってもらうことの大切さを改めて感じさせられる会でした。
今後はピコピコルームにも指伝話や変わる君を入れていきたいですね
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