島田療育センターについて

島田療育センターの理念

利用者のニーズに応え 質の高い療育を目指す


身近な地域で気軽に療育を受けられる環境を目指して

日本で最初の重症心身障害児(者)施設として開設

名誉院長 木実谷哲史

島田療育センターは1961(昭和36)年5月1日に日本で最初の重症心身障害児施設として開設されました。児童福祉法で規定された施設でしたが、特別に18歳を超えても入所することが認められてきました。2006(平成18)年10月から従来の措置に変わり契約による入所になりました。そして2013(平成25)年4月1日からは18歳未満が対象の改正児童福祉法に拠る医療型障害児入所施設と18歳以上が対象の障害者総合支援法に拠る療養介護事業所の二つの法律にまたがる施設として生まれ変わりました。

また2018(平成30)年3月31日まで暫定的に認められていた、児者一貫に基づく施設定員、職員配置基準、設備等の一体運用(みなし規定)が、それ以後も入所者の年齢や状態に応じた適切な日中活動を提供していくことを前提として、恒久化されました。これからは従来通り「児者一貫した医療・療育」を続けるとともに、年齢や状態に応じた適切な日中活動を実施していく決意です。

地域に開かれたセンターを目指して ― 発達障害や在宅支援サービスにも注力

現在は「地域に開かれた施設」の指針のもとに、在宅支援にも力を入れています。具体的には、歯科診療を含む外来診療リハビリテーション訓練短期入所(ショートステイ)、独自事業である「発達支援センターセブンクローバー」、訪問サービス「ライフケアしまだ」といった多様なサービスを展開し、利用者様のニーズにあったサービスを提供できる環境を整備しております。また、毎年9月には地域の皆様との交流を目的とした「わいわい祭り」を開催し、島田療育センターの利用者と地域に住んでおられる方々との交流を図っております。

2011(平成23)年4月からは、東京都八王子市台町の都立八王子小児病院が府中へ移転したあとに設置された八王子市小児・障害メディカルセンター内に「島田療育センターはちおうじ」を開設し、療育診療部門・小児診療部門(こどもクリニック「えみんぐ」)・発達支援部門(発達障害支援室「からふる」)・通所部門を運営しております。

「利用者のニーズに応え、質の高い療育をめざす」の理念のもとに、職員一丸となってしっかりとした施設づくりを心がけたいと思います。


療育の指針

  1. 個性を尊重し、充実した生活を送ることができるように努めます。
  2. 人間としての尊厳を重視した質の高い医療、看護、生活支援を行います。
  3. 年齢や個々のニーズに応じたサービスを通して、生活の質の向上に努めます。
  4. 家族・保護者のかたがたとよく話し合って、相互理解に基づいたサービスを提供します。
  5. 地域社会に開かれたセンターをめざします。


療育のこころえ

利用者に対する対応

  1. 身体的、精神的罰は、いかなる場合においても一切行ってはならない。
  2. 利用者の尊厳に敬意を示し、年齢、人生、個性に応じた接しかたをし、障害、病気、症状をからかいや冗談にしない。
  3. 身休拘束、行動の抑制はしてはならない。利用者の安全上、やむを得ない場合は十分に検討のうえ、必要な手続きを経て実施する。さらに定期的見直しを行い、抑制を必要としない方法の検討を積極的に行う。
  4. 利用者の訴えや要求、やりたい意思やできることを尊重する。
  5. 利用者のプライバシーを尊重する。
  6. 利用者の安全をはかり、事故が起きた場合は速やかに対応する。
  7. 利用者への対応は個人の判断によらず、会議での十分な検討とかかわる人の合意のもとで行う。

家族・保護者に対する対応

  1. 家族・保護者等に対しては、丁寧で思いやりのある態度で接する。
  2. 利用者に対して最善のサービスを提供するために、療育情報を伝え、十分に話し合う。

職員どうしで

  1. 職員は利用者に対して最善のサービスを提供するために、お互いの役割と専門性を尊重し、理解し、協力しあう。
  2. 判断に迷ったときは、上司(リーダー)に報告し、十分に相談する。上司(リーダー)は適切に対処する。
  3. 職員どうしの会話や挨拶は、まわりの人たちに不快な印象を与えないようにする。

職員以外(ボランティア・実習生・見学者等)に対して

  1. ボランティア・実習生・見学者等職員以外のかたに対しては、利用者のプライバシーに配慮しながら、丁寧にわかりやすく接する。
  2. ボランティアや実習生に対しては、目的に沿った指導を行う。