- Qいつも動き回っていて落ち着きがなく、じっとしていることが苦手です。どうして落ち着かないのでしょうか?
- A
多動傾向のあるお子さんは、単に“躾の問題”として捉えてしまうことも多いのですが、感覚の視点からお子さんの特性を考えることも大切です。人は環境から様々な情報を感覚として取り入れて、その環境に適応したり、働きかけたりします。感覚は、いわゆる五感(触覚・聴覚・視覚・嗅覚・味覚)以外にも、体の傾き(バランス)やスピードを感じ取る前庭覚や、筋肉や関節の動きを捉える固有覚という感覚もあります。
落ち着かないお子さんの中には、前庭覚や固有覚の情報がうまく取り入れることができず、脳の最適な活動水準を保てずに刺激をより取り込もうとして、結果多動に見えることがあります。着席を促すならお子さんが興味を持って集中しやすい課題提供も大切ですが、前庭覚や固有覚刺激をたくさん取り入れて感覚を満たしてあげる時間も大切です。
活動としてはトランポリンやブランコなどの遊具、他にも手押し車や雑巾がけ、綱引きなどもお勧めです。できるところから始めてみてください。
(作業療法士 中藤 光也)
Q60 いつも動き回っていて落ち着きがなく、じっとしていることが苦手です
