平成24年度公開シンポジウム
2月11日の建国記念日に12回目となります「平成24年度 島田療育センター公開シンポジウム」を開催致しました。
今回は「ささえあおう 生活によりそう福祉・医療をめざして」というテーマを挙げ、「支援する側・される側」という垣根を外し 互いに「ささえあう」という視点に立って より相手を理解し、相互の力を引き出していけるような福祉・医療を考える機会になれば、と企画いたしました。
第1部では、小児科医であり、東京大学先端科学技術研究センターの特任講師でいらっしゃいます熊谷晋一郎先生をお招きし、「あらためて、自立を考える」と題して基調講演をいただきました。
熊谷先生からは、脳性麻痺当事者としての立場から、ご自身の経験談や「“自立”とその元にある“自己決定”」、「independentからmulti-dependent」という考えについて、独創的で斬新な熊谷先生の見解を解りやすくお話しいただき、まさに目が開かれる思いがしました。
第2部では、地域で活躍されている福祉に関わりのある方々から、日々の活動やその中からの活発なご意見をお聞きすることができました。
啓光学園の総合支援部長 紫藤勇市氏からは「施設職員が経験を積む中で陥りやすい錯覚」や「地域力の弱体化」、だからこそこれからは「地域に入り地域力を補って地域を動かす中心となる役割」をサービス提供者は担っているのではないか、という提案をいただきました。
ひまつぶしde すぷ~ん 副理事の村上健一氏からは、「ひまつぶし」の活動のご紹介や車イス利用当事者としてのご経験談をお話しいただきました。
都立多摩桜の丘学園 特別支援コーディネーターの大橋小弓先生からは、多摩桜の丘学園(特別支援学校)のご紹介や学校全体での地域支援についてお話いただきました。
また当センターの理学療法士より、「かるがも」という家族支援の取り組みを発表しました。
その後先生方全員揃ってのディスカッションでは、会場からも積極的にご質問をいただき、活発な意見交換の場となりました。
参加された方々からは「目から鱗の発想だった」「自立の話が興味深かった」「もやもやしていたことが少しはっきりしてきた」等ご好評をいただきました。
講師の先生方から大きなヒントや励ましのメッセージをいただき、地域や施設、ご家庭で福祉や医療とつながる方々にとっても、私共にとっても、これからの支援を考えるにあたり、思考の転換と新たな課題を見い出す貴重な機会となりました。
昨年に引き続き、多摩市社会福祉協議会より「要約筆記」派遣のご協力を賜り、聴覚障害に限ることなく多くの方々に「わかりやすかった」というご感想をいただきました。
今回も講師の先生方、ボランティアの方々を始め、多くの方のご協力でシンポジウムを無事開催できましたこと、心より感謝申し上げます。