視線入力を行う際のセッティング例

島田の日常

今回は視線入力での操作を行う際に使っている機器とセッティングについてです。
モニタアームについては2月の公開シンポジウムでも質問があったので、ここでもご紹介しようと思います。

画面固定の方法

視線入力を行う際は、画面とセンサーをしっかりと適切な位置に固定することがとても大切です。
セッティングの方法はいくつかありますが、ピコピコルームでは外部モニタをモニタアームで固定して利用しています。

そのメリットは

1.角度や高さを自由に設定できる
2.ノートパソコンよりも大きな画面で取り組める
3.支援者がパソコン操作を行いやすい

といったことが挙げられます。

しっかりと座位が取れる方であればノートパソコンにセンサーを取り付けるだけで良いのですが、リクライニング式の車椅子を利用していたり、ベッドサイドで利用したいと行った場合は角度や高さの調節が必要になります。

ノートパソコンを自由な高さ・角度に設置できる機器もありますが、ピコピコルームは2・3の理由から外部のモニタを繋いで使っています。
用意する機器が多いので準備は大変なんですが、利用者様に使っていただく環境はこちらのほうが良いのではないかと思っています。

モニタアームを組み合わせて使っています

こちらは実際のセッティングです。
昇降テーブルにモニタアームを設置し、高さ調整の幅を大きく取っています。
また、モニタアームの支柱も通常よりも長いものを別途購入して利用しています。

撮影用にモニタを同じ向きにしていますが、実際に取り組みを行う際はモニタを利用者様の正面に、ノートパソコンは横向きにして支援者が操作しています。

使用機器

モニタアーム

公開シンポジウムの際もメーカー等の問い合わせがありましたので、以下に記載しておきます。

万が一にも顔の上に落下しては困りますので、モニタの荷重をしっかりと支えられる製品を使用しています。

水平多関節アーム(支柱高さ400mm)

クランプ固定支柱(支柱高さ700mm)

テーブル

ハンドルを回して無段階に高さ調整できる

昇降テーブルは現在はオカムラのECOTというシリーズのオーバーテーブルを利用しています。

もう随分前から使っているもので型番で探しても同等のものが見当たらないのですが…ハンドルを回すことで高さを調整でき、かなり堅牢な作りです。

今後更新も必要なので、同等の機能で良い商品があれば入れ替えも考えたいところです。(良い製品ががあれば情報ください!)

キャスターも付いているので移動もしやすく、モニタを設置してから実施場所に運んでいます。

モニタ

左が21.5インチ、右が15.6インチのモニタ

画面のサイズについては、PCEye5では27インチまで、Eye Tracker5は27インチ(画面比率16:9)または30インチ(画面比率21:9)までとされていますので、この範囲のサイズを選ぶのがよさそうです。

ピコピコルームでは21.5インチのFullHD解像度のモニタを利用しています。
また、大きい画面では画面全体に視線を向けるのが難しいとき用に、ノートパソコンと同程度の15.6インチモニタもあります。

15.6インチモニタの方は古くて解像度も低いものなので、そろそろ更新したいところです。

21.5インチモニタ

組み合わせた様子

最大165cmの高さまで上げられます

この組み合わせでは、最大でテーブル95cm+アーム70cmの165cmまで上げることができます。

大きめのリクライニング車いすを利用されている場合や、ベッドサイドで利用する場合などは顔と画面の距離を取るために高さを出す必要があるので、このようにしています。

以上がピコピコルームの視線入力のセッティングでした。
これから視線入力に取り組まれる方のお役に立てば幸いです。

執筆者 ピコピコルーム 神田

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