かかわりことばを使ってみよう
大人が子どもに話しかける
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
「そっと」
「いっしょに」などの
「かかわりことば」にはいろいろありますね。
コンパクトで、子どもにも受け止めやすく心に残り、
また、多くの大人から語りかけてもらうことで理解も進みます。
今回は、そうした「かかわりことば」の中から
「いっしょに」「はんぶんこ」についてお伝えしたいと思います。
今回のブログの内容は、以下の書籍を参考にさせていただきました。
湯汲英史 (2010)『子どもと変える 子どもが変わる 関わりことば -場面別指導のポイント-』明石書店
子どもの発達はさまざまですが、その発達の1つには
「自分で考えて判断し、周りから受け入れられるよう行動(表現)できるようになること」
も求められてきます。
「かかわりことば」は、こうした自己判断ができるように
人間の基礎を作る、社会の中で生きていくための知恵を与えることばだと言えます。
「いっしょに」
子どもや大人と「いっしょに」活動することは、人に対する意識や、
一緒に行動する力を育むだけでなく、情緒面にも良い影響を与えています。
ただし、呼びかけても返事が帰ってこないなど、人に対する意識が十分ではないために
真似をしない子もいます。
「いっしょに」を教える際に、もっとも効果的なのは「歩くこと」のようです。
一緒に並んで、同じスピードで歩くように教えます。
場所は、広いところよりも廊下など少し狭くて距離が短い場所で始めると良いようです。
一緒に歩くことで、人に対する意識が高まり、
それが他の動きを真似ることにもつながっていくと思います。
また、「いっしょに」ができるようになる頃、ことばの真似も盛んになります。
同じ音やことばを一緒に言うなど、ことばへの感受性が高まるように
働きかけてあげると良いでしょう。
また、歌やお絵かき、料理などさまざまな活動を通して、一緒にできる内容の範囲を
広げてあげると良いと思います。
「はんぶんこ」
「はんぶんこ」は「いっしょに」のあとに続いてできるようになります。
「いっしょに」で、他者の存在や動きに気づかせてくれるようになり、
それから「はんぶんこしよう」と食べ物などを分けるときに使われるようになります。
他者や周りへの気づきがまだ十分でないと、
「はんぶんこ=自分のものを取られること」と思ってしまいますが、
「はんぶんイヤ」「はんぶんOK」から助け合いのスタートラインに
立つことができるようになると思います。
「はんぶんこ」から、「あげる」ことが誇らしくなったら立派な成長ですね。
そして、相手への意識が生まれて「はんぶんこ」が使えるようになる頃に、
2語文が使われるようになってきます。
「電車 来たね」(叙述)
「おせんべい 食べた」(報告)
「りんご おいしいね」(共感)
「これ なに?」(質問)
「やって いい?」(確認)
これらは、「叙述・報告・共感・質問・確認」といった文で、
周りの人への意識(=社会性)が高まることと関係してきます。
「おせんべい はんぶんこ」
「おふろ はんぶんこ (で はいろう)」
「おいす はんぶんこ (で すわろう)」
こうした働きかけを大人がしてあげることで、人への意識を高められるといいですよね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません