社会保障の給付には、年金などの「現金給付」と医療や福祉サービスなどの「ヒューマンサービス給付」があり、これらを安定したものにするために、法律で制度が設けられている。
私たち、障害者福祉事業に携わる者たちは、ヒューマンサービス給付の任を担っていることに誇りと矜持を抱きたいと思う。
戦後、社会保障はマクロの視点から語られることが多かったように思う。
福祉国家、憲法と権利、少子高齢化などの言葉は、マクロの視点からの言論と言えよう。
一方、私たちの「実践」はミクロのものであり、「今」「ここ」における実践が全てである。そして「今・ここ」における実践が、マクロに比較して、決して小さなものであるのではない。
むしろマクロの言節は「今・ここ」における実践のためにこそあると思う。
半世紀前、小林提樹先生が重症心身障害児施設、島田療育園を構想されたときの大胆さと崇高さを思う。
それとともに、困難な中を歩んでこられた利用者の方々、そのご家族、そして職員の尽力に思いを馳せ、それぞれの幸せに近付いていって欲しいと思う。
一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それは一つのままです。しかし、もし死ねば、豊かな実を結びます。(聖書)
感謝とともに。