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Q

こどもが物の名前を覚えないんです…

犬と車

 

A

 初期のことばの発達では、一般的に「ワンワン」や「マンマ」、「ブーブ」など、身近でよく耳にするものや、好きなもの、必要性の高いものの名前など、名詞から覚え始めることが多いと言われています。 しかし時々、訓練に通ってこられるお子さんのお母さまから、「動詞はけっこう覚えているけど名詞が少ないんです。何か問題があるのでしょうか?」という質問をお受けすることがあります。実際にお子さんに関わらせていただくと、確かに名詞より動詞のほうがしっかりと言える様子が見られることがあるのですが、ことばの発達の初期に名詞より動詞をより多く覚えていることは、心配なことなのでしょうか?

 

  実際には、子どもがことばを獲得していくスタイルには個人差があることがわかっています。初期に覚える語に名詞が多いタイプと、「やって」などといった関わりの際に使われる対人的な語(動詞など)が多いタイプです。 それぞれ、‘名詞が多いタイプには第一子が多く、対物志向が強い’、‘動詞など関わりの際に使われる語が多いタイプには第二子以降が多く対人志向が強い’など、共通した特徴があるとされていますが、名詞より動詞が多いからといって心配なことはありません。また、2つのタイプのうち必ずどちらかに入るというわけではなく、中間に属する子どもも多いと言われています。

笑顔の親子

  どちらのことばが多いか少ないかといったことは、ことばの初期の発達において特に問題があるわけではありません。お子さんが興味を持ったものや好きなことを一緒に楽しんだり、気持ちを共有したりすることがコミュニケーションへの意欲につながり、ことばを覚えていくきっかけとなります。ぜひ、短い時間でもゆったりとした気持ちでお子さんとの関わりを楽しんでいただきたいと思います。

(言語聴覚士 遠藤 亮子)

参考文献:言語発達障害学 医学書院 2010