文字の
サイズ

Q

連載「行動はメッセージ ~ 気づいてよ、僕たちの気持ち ~」 その4 適切な行動で良い結果を与える ~代替行動分化強化~

鉛筆くんと消しゴムくん

 

A

 今まで、教室で先生に問題を出された時に、席を立ち大きな声を出して手を挙げる、子どもの不適切な行動を例にとってお話をしてきました。そして、「席を立って大きな声を出せば」、「先生はおれを当ててくれる」という誤学習のパターンを成立させないために、「席を立って大きな声を出しても」「無視をする(先生には当てられない)」ことで、「良い結果(当てて欲しい気持ち)」が得られないようにする、計画的無視というテクニックが有効であることをお話ししました。しかし、計画的無視だけでは、子どもの「当てて欲しい気持ち」を満たしてあげることはできません。

 

  そこで必要となるのが、「代替行動分化強化」と呼ばれるテクニックです。名前の通り、(不適切な行動の)代替となる行動だけを強化する手続きです。ここでの不適切な行動は、「席を立って大きな声を出す」ですので、それと同じ機能を持つ、適切な代替行動を子どもに教えて、その行動だけを強化していくのです。この子どもの場合の、「席を立って大きな声を出す」行動の機能は、「注目要求(当てて欲しい気持ち)」ですから、社会的に正しいやり方で、注目要求が満たされるようにすれば良いわけです。

 

 まずは、正しい挙手のやり方を子どもに教えます。反対に、不適切な行動では指名しないことも併せて子どもに伝えておくとよいでしょう。そして、授業中は正しいやり方で挙手した時だけ指名するようにすればよいのです。これが、代替行動分化強化です。

挙手をする子ども

 正しい挙手のやり方を形成するためには、最初は、正しい行動が見られたら極力指名するようにして、その行動を強化していく配慮が必要となります。しばらくこの対応を繰り返していくことで、徐々に、正しい行動が形成化されていくと思います。でも、永遠にその子どもばかりを指名し続けるわけにもいきません。ですので、次の手を考える必要があります。

 

 では、次の手とは、いったいどのようなものなのか、それはまた、次回にお話しします。

(心理判定員 山本 秀二)