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連載「行動はメッセージ ~ 気づいてよ、僕たちの気持ち ~」 その2 不適切な行動と結果の関係

挙手をする子どもたち

 

A

 人の行動は、「きっかけ→行動→結果」という3つの連続した項から成り立っていること、子どもがある「行動」をした時に、「行動」の後に随伴される「結果」が子どもにとって良いものであればその「行動」は強化されて増えていくこと、反対に、「結果」が子どもにとって嫌なものであれば、その行動は減少していくことを前回お話ししたと思います。

 

  今回は、ABC分析において、子どもの示す不適切な「行動」と「結果」をどうとらえていけばよいか、お話ししたいと思います。本来は、「きっかけー子どもの正しい行動―子どもにとって良い結果」となれば良いのですが、なかなかそうはいきません。なぜかというと、子どもたちだけでなく、人はみな、正しい「行動」だけで良い「結果」を得ているわけではなく、不適切な「行動」で手っ取り早く良い「結果」を得ていることが多いからなのです。

指を立てる先生

  学校の教室での例を挙げてみましょう。教室で先生に問題を出された時に、席を立って挙手をし、「ハイ、ハイ、ハイ!」と大きな声を上げる子どもって、クラスに必ず何人かいませんでしたか?実は私もそうでした。これは、先生に当てられたいからであることは誰でもお分かりであると思います。この時に、「一度当ててあげたら、その後は静かにしてくれるかな」と思い、ついついその子を当ててしまった・・・そんな経験をお持ちの先生も多いのではないでしょうか。大人の都合で、優しい気持ちで、その場しのぎで、ついつい不適切な行動での要求を満たしてしまうことって、先生だけでなくても、皆さん経験があると思います。気持ちを分かってあげるのは、もちろん大切なのですが、実はこれがのちのち大変になったりするのです。「席を立って大きな声を出せば、先生はおれを当ててくれる」というパターンが成立すると、その子どもは次も同じパターンを示すようになります。これを我々は、誤った行動(不適切な行動)を学んだという意味で、誤学習と呼んでいます。つまり、子どもの不適切な「行動」の後に、子どもが喜ぶ「結果」を与えてしまっているわけなのです。子どもが不適切な「行動」を示した時には、私たちは子どもが喜ぶ「結果」を与えないようにしなければいけません。

 

  このように、「行動」の後の「結果」に注目することで、子どもの不適切な「行動」をかなりの確率で減らすことができます。ではこの時、いったい先生はどう対応すれば良かったのでしょうか。その答えは、また次回にお話ししたいと思います。

(心理判定員 山本 秀二)