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連載「行動はメッセージ ~ 気づいてよ、僕たちの気持ち ~」 その1 ほめることはなぜ大切なのか

仲の良い親子

 

A

 子どもたちは日々の成長の中、様々な経験を通して色々な行動を獲得していきます。子どもが獲得する行動の中には、きっとたくさんの望ましい行動があることでしょう。ですが、中には周囲から見て少々困った行動や、かなり深刻な問題となる行動もあるかもしれません。この発達相談Q&Aでは、そのような子どもの困った行動を取り上げ、具体的な支援の仕方について「応用行動分析」という考え方に基づいたお話しをしてきました。

 

  この「応用行動分析」とは、簡単に言うと、「行動は学習によって獲得されるもの」であるという考え方です。人の行動は、「きっかけ→行動→結果」という3つの連続した項から成り立っています。これを3つの頭文字をとって一般的にABC分析と呼んでいます。人の行動が起きるためには、必ず何かしらのきっかけが存在し、行動の後には必ずその行動を強めている結果が伴っているのです。これに照らしわせると、子どもがある「行動」をしたときに、「行動」の後に随伴される「結果」が子どもにとって良いものであれば、その行動は強化されて増えていきます。反対に、「結果」が子どもにとって嫌なものであれば、その行動は減少していくことになります。

おやつを食べる子ども

  例えば、子どもがお手伝いをしてくれた時、お母さんがお菓子をあげたとします。お手伝いをすればまたお菓子がもらえると子どもが考えれば、自ら積極的にお手伝いをしてお菓子をもらおうとすることでしょう。これは、「お菓子(結果)」が「お手伝いすること(行動)」を増やしていることになります。逆に、子どもがお手伝いをしてくれた時、お母さんがきちんとお手伝いをしなかったと言って、子どもを叱ったとします。そうすると、子どもは叱られるくらいならもうお手伝いはしないと考えるはずです。これは、「叱られること(結果)」が「お手伝いすること(行動)」を減少させたことになります。

 

  私たちは機会があるごとに、保護者の方や支援者の方々に対して子どもの正しい行動を積極的にほめるようお話ししています。子どもの正しい行動に対して良い結果を与える、これが、子どもを支援する上でもっとも大切なことなのです。

 

  次回は、ABC分析では子どもの示す困った行動をどうとらえ、どう支援していけばよいのか、お話ししたいと思います。

(心理判定員 山本 秀二)